令和7年度 第1学期 始業式 校長講話

 みなさんお早うございます。新しい年度が始まりました。4月当初は気温が下がり、おかげで桜が今満開の時期となりました。一節によると「桜」の語源は、花が咲くの「さく」に、複数を表す「ら」がついて、多くの花が咲き乱れる様子から、桜と呼ばれるようになったとのことです。新2年生、新3年生が今笑顔でここに集まっている様子は、まさに満開の桜のようだと、前からみなさんの様子を見ていて、思います。

 新2年生のみなさんは、自然科学類型、人文社会類型、総合ヒューマン類型、それぞれの類型に分かれてのスタートとなります。進路希望を明確にし、学びを深めるとともに、中核の学年として、本日午後に入学する新入生のよき先輩として、文武ともに良いお手本になってください。

 新3年生は、いよいよ進路実現の年になります。自分の進路について探究を深め、その進路が自分の将来像とどうつながっているのかしっかりと考えて選択してください。この1年の努力は間違いなくみなさんの力になる。最後までできる限りの努力をしてください。

 さて、みなさんは「働き蟻の法則」というのを知っていますか。蟻の集団を観察していると、よく働く蟻と普通の蟻、サボっている蟻の割合が、だいたい2:6:2の割合になっており、仮によく働く蟻だけを集めて活動させても、やはりその割合は2:6:2になるというものです。不思議なのは、普通の蟻を集めてもサボっている蟻ばかりを集めても同じ2:6:2の割合になること。研究者はこの現象を、集団生活を成立させるための蟻の知恵だといいます。どういうことかというと、全員がよく働く蟻だと一度に疲弊して集団が滅んでしまう。役割を交代しながら、常に一定の仕事量で集団を維持しているということなのです。

 一方、人間社会に目を移すと、現代は1人のカリスマ的リーダーが集団を率いる時代ではない。そのリーダーが倒れてしまうと集団そのものも滅んでしまう。集団を構成する各々が、自分の得意を生かしながら支え合う「シェア・ド・リーダーシップ」の時代だといわれています。

 みなさんも1人のリーダーに任せっきりにするのではなく、自分の得意や良さ、すなわち自分らしさを生かした役割を担う、そんなリーダーシップを身につけてもらい、持続可能社会の実現に努めてもらいたいと思います。