第46回 入学式 式辞

令和6年度 兵庫県立伊丹西高等学校 第46回 入学式 式辞

 降り注ぐ日差しに、春の息吹を感じる今日の佳き日に、兵庫県立伊丹西高等学校第46回入学式を挙行できますことは、私たち教職員にとりましても誠に大きな喜びでございます。

 本日、お忙しい中、ご臨席を賜りましたご来賓の皆様、保護者の皆様に高いところからではございますが、御礼申し上げます。

 改めまして、新入生の保護者の皆様、お子様のご入学おめでとうございます。中学3年間の多感な時期にコロナ禍を過ごされたお子様を支えてこられ、保護者の皆様には様々なご苦労もあったことと思います。しかし、ともに過ごされた時間は今日の晴れやかなお子様方の姿そのものです。どうか本校での3年間も教職員とともにお子様の成長をお支えいただけるようお願い申し上げます。

 さて、新入生のみなさん。ご入学おめでとうございます。チーム西高へようこそ。みなさんは今、夢や希望、そして不安を抱えていることと思います。先生方や先輩たちはみなさんを温かく迎えます。高校生活に早く慣れ、夢を現実に近づけるよう頑張りましょう。

 みなさんは高校進学にあたり、おそらく初めて自分の将来に関わる大きな選択を経験したことと思います。これから3年後にも大きな選択の時が来ます。その先にも人生の折々に選択を迫られる時がやって来ます。そんなときに覚えておいてほしいのは、よりよい選択のためには将来の自分を具体的にイメージして計画する力や、社会の変化に柔軟に対応していく力が必要になるということ。そしてもう一つは、選択は結果ではないということです。

 ポストコロナと呼ばれる現在は、社会の様々な枠組みが激しく変化する時代です。世界情勢はめまぐるしく変化し、今ある仕事の約半分がロボットやAIに置き換えられていく。そんな時代を生き抜くためには何があっても変わらない「信念」すなわち、「自分の将来像」と、状況を見極めながら手法を変える「柔軟さ」が必要になってきます。選択を終えた安心感にとどまってはならない。選択は「結果」ではないのです。

 本校が掲げる校訓「克己 協調 創造」は「己の弱さに打ち勝ち、ともに手をだずさえて、未来を創り出す」という意味です。この三つの力こそが、先ほど話した新時代を生き抜くための基礎力です。西高生としてともに学び、夢の実現に邁進してもらいたいと思います。

 最後に、夢多きみなさんに、川崎洋氏の「いま始まる新しいいま」という詩を贈り、結びといたします。

一部省略

令和六年四月八日 

兵庫県立伊丹西高等学校長 愛川 弘市