1学期始業式 校長講話

 西高ブログを開設しました。不定期ですが、学校行事や本校の取り組みについて情報発信していきますので、よろしくお願いいたします。

1学期始業式校長講話

 みなさんお早うございます。校長の愛川弘市と申します。よろしくお願いいたします。

 さて、新年度を迎えてみなさんにいくつかお話をしたいと思います。

 まずは新二年生。自然科学類型、人文社会類型、総合ヒューマン類型の三つに分かれてのスタートです。それぞれ自分の進路に合った学びを深めるとともに、学校生活においても中心の学年になります。本日入学する新入生のよき先輩として、文武ともに良いお手本になっていただきたい。

 新三年生のみなさんは、いよいよ進路実現の年になります。進学や就職がゴールではありません。社会は今までにないスピードで変化しています。その変化に対応するためにも、自分の将来をしっかりと見据えた進路実現に取り組んでください。

 先ほど、新入生を迎えるという話をしましたが、みなさんには是非、自分が入学した頃のことを思い出してもらいたいと思います。きっと、高校に入ったらこんなことがしたい、とか、しっかり勉強していい成績を取るぞとか、心に描いていたと思います。振り返ってどうですか。あのときの決意は薄れていませんか。

 能の大成者として知られる世阿弥はその著書『花鏡』の中で、有名な「初心忘るべからず」という言葉を残していますが、正しくは、

是非の初心忘るべからず

時々の初心忘るべからず

老後の初心忘るべからず、と、三つの初心について記しています。

 まず一つ目の「是非の初心」は、初心者の頃の未熟な自分を忘れてはならないという意味です。二つ目の「時々の初心」とは、その時期その時期における初心の段階を忘れてはならない、そして、三つめの「老後の初心」とは、老年になっても初めて経験する事があるので、やはり初心を持って事に臨むべきだという意味です。

 例えるなら、先ほどの入学時の自分は「是非の初心」、今みなさんが抱いている思いが「時々の初心」、そして何かをやり終えたと思った後でも、新た経験することがある。その時に大切になるのが「老後の初心」です。

 前を見て進んでいると、時々自分を見失うときがあります。時折振り返って、三つの初心を取り戻してもらえたらと思います。