1月28日(木)人と自然科1年生を対象に、先輩農業者特別授業を講義棟にて実施しました。この授業は阪神農業改良普及センター様と連携させて頂き、地域で活躍されている農家の方をお招きし、直接講義を頂くことで、将来の就農・進路につなげようという取り組みです。ちなみに今年は9月に3年生を対象に施設野菜をされている青年農業士の小寺清隆さんに講義をしていただき、11月には2年生を対象に、農業先進地見学(バスセミナー)を実施しました。
新型コロナウィルスに万一にも感染、拡大しないように、手指消毒をしての入場、座席の前後の間隔を十分とり、マスク完全着用・・・など細心の注意を払いながら実施しました。
今回お話しいただいたのは、今年度から独立就農という夢を実現された、キュウリ、ナス、タマネギなどの野菜を中心に栽培している「こはるファーム」の徳毛小春さんです。7年前に本校人と自然科を卒業された私たちの先輩です。
非農家出身である徳毛先輩は、中学校の「トライやるウィーク」で農業を体験したことがきっかけで、将来は農業を仕事にしたいと考えるようになり、有馬高校人と自然科に進学しました。高校在学中も夢を叶えるために農業実習や農業インターンシップに積極的に取組み、先生の後押しもあって兵庫県立農業大学校に進学しました。そして卒業後は約4年間三田市の農業法人に雇用就農し、親方農家から技術だけでなく、販売方法、資金面などの経営についてなど、様々なことを学んだそうです。そして昨年4月に農業法人を退社し、認定新規就農者として独立就農を果たしました。
徳毛先輩からは、独立就農に向けて農地や資金を確保するために普及センターや親方農家、先輩農業者に積極的に相談した・・・・など就農するまでの道筋について具体的にお話しいただき、さらに1年目となる「こはるファーム」での工夫や苦労について、本音の話をしていただきました。
農家を仕事として成立させるためには、経営を安定させること、つまり一定の利益を得ることが必要です。そのために大切なことは「経営計画」が重要で、1年中作物を栽培、収穫することや、販売価格、販売方法の見極めが重要とのことです。また、こはるファームでも宅配などで直接消費者に販売する手法を取り入れているようですが、お客様からの入金や寄せられた意見への対応などの迅速に行うことが大切だと言うことも、自身の経験から教えていただきました。
そして今回の講演で(ブログ作成者のなかで)一番印象に残ったことは「これまでの経験から気付いたことは、結局 人とのつながりが大切!」という言葉です。地域の行事等にも積極的に参加し、コミュニケーションをとることで信頼を少しづつ積み重ねてていき、困ったときに助けてくれる関係性を築くこと。そして様々な会合に顔を出し、多くの人と出会い情報交換を行うことがチャンスにつながること・・・などつながりの重要性を教えていただきました。そして決して一人で抱えず、周りにいる信頼できる人に相談する。これは農業をする、しないに関係なく、大切なことだと感じました。
最後に徳毛先輩と同じ、有馬高校人と自然科で学ぶ私たちへ「学生のうちにしておくこと」というメッセージも頂きました。とにかく学校生活を楽しむこと。そして実習などで教わる技術を身につけておくこと、さらに進路を決める時には将来につながる目標を持つということです。そして必ず有馬高校人と自然科で学んだことがこれからにつながっていくと教えていただきました。夢を叶えた同年代の先輩からの熱い話に、みんな真剣、メモをとりながら話しを聞く生徒もいました。
さらに講演後も先輩の元に質問に向かう姿も見られるなど、充実した講演となりました。
徳毛小春先輩、お忙しい中興味深いお話本当にありがとうございました。そして阪神農業改良普及センターの皆様、このような機会をいただき、本当にありがとうございました。