1月15日(金)人と自然科1年生学校設定科目『人と自然』の授業において、今年度最終回となるひとはく連携セミナーが実施されました。1年生学校設定科目『人と自然』の授業では県立人と自然の博物館を訪れ、博物館の研究員から自然や環境、動植物など専門的な講義を直接頂き、深く学ぶことができます。この日は都市計画がご専門の藤本真里研究員より、『公園利用者とすすめるパークマネジメント』をテーマに講義を頂きました。藤本先生は、地域自然保護の授業でもお世話になっています。会場は新型コロナ対策でホロンピアホールを貸し切りにしていただきました。
本題に入る前に、まずは余談から。兵庫県の特産品である神戸ビーフ。その元牛となっている但馬牛の由来や特徴など、スライドを用いて説明いただきました。特に日本の黒毛和牛の99.9%が、但馬牛の雄牛「田尻号」の子孫であることなど興味深い内容でした。
いよいよ本題のパークマネジメントについて説明を頂きます。公園というものができたのは明治時代から。江戸時代に娯楽や農作業の始まりを知らせるサクラの木が多く植えられていた場所などを国が『公園』として指定したのが始まりです。
そして1965年に都市公園法が制定され、日本中に公園が整備されていきました。さらに2017年には都市公園法が改正され、手続きを行うと公園内で商売も可能になりました。藤本先生からはマネジメント、計画がおもしろい公園10選と題して、東京駅の近くの都心のど真ん中にある大手町の森「オーテモリ」や、広い芝生が特徴の神戸市のみなとのもり公園、世界一美しいスタバがある富岩運河環水公園、築城から400年を迎えた明石公園など、全国のユニークな公園の特徴や取り組みを紹介していただきました。
後半は県立有馬富士公園で行われている、夢プログラムについて紹介いただきました。三田市にある県立有馬富士公園では、公園を心から愛するボランティアの方々が自分の知識や特技を活かし、ホスト(主催者)としてゲスト(来園者)に体験プログラムを提供し、公園の魅力を発信する【ありまふじ夢プログラム】が展開されており、環境を学ぶ有馬高校人と自然科も3年生学校設定科目【地域自然保護】の授業で、藤本先生のサポートを頂きながらこの活動とコラボしています。
公園をめぐる仕組みを学び、公園で活動している人から学び、最後は自分たちでプログラムを企画、設計、実践するという授業内容で、今年度グリーンスクール知事表彰を受賞しました。
藤本先生からは過去の取り組みの写真をみせていただきながら、この活動の意義を説明していただきました。藤本先生興味深い講義をありがとうございました。
今回の講義を持って今年度のひとはく連携セミナーは終了です。今年度は新型コロナウィルス感染拡大により、年度当初は中止を余儀なくされましたが、ホロンピアホールでの間隔を十分確保しての講義など、人と自然の博物館の職員、先生方が様々な工夫、対策をとってくださり実施することができました。講義を頂きました研究員の皆さま、博物館の職員の皆さま1年間本当にお世話になりました。ありがとうございました。
今年度 ひとはく連携セミナーのバックナンバーはこちら
人と自然科 ひとはく連携セミナー 農業と外来種、そしてコロナについて学ぶ
来年度もこのセミナーは引き続き実施される予定です。どうぞよろしくお願いします。