人と自然科では在学中、英語検定や漢字検定やビジネス文書実務検定などの一般的な検定はもちろんですが、日本農業技術検定やフラワー装飾技能士、トレース検定など専門的な資格取得にも挑戦することができます。
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さて、9月下旬から10月上旬の3日間、1年生から3年生の希望者26名を対象に、チェンソー(伐木作業)の特別教育が実施されました。本来ならば夏季休業中に実施予定でしたが、今年度は新型コロナウィルス感染拡大により4月~5月休校となり、夏季休業期間が短縮されたため、この時期の実施となってしまいました。土日を使った講習となってしまいましたが多くの生徒が希望してくれました。本当に近年の人と自然科は意識が高い生徒が多いです。感心します。
まずは有馬高校にて2日間、学科講習と簡単な実技講習が行われました。今回も新型コロナウィルス感染予防のため、座席は長机ひとつに一人。2m以上の間隔をあけました。
伐木する際の刃の入れ方や、木の倒し方などの伐木作業に関する知識。チェンソーに使用するの燃料や潤滑油、機械の握り方や姿勢などチェンソー・エンジンに関する知識。振動障害やその予防に関する知識。災害事例、関係法令など、安全に機械を操作する知識についてみっちりと教えていただきました。
そして伐木実習に向け、実際に使用するチェンソーを使ってエンジンの構造やかけ方、安全装具の着脱を学びました。
講習3日目は会場をキャタピラー講習センターに移動し、実技講習を行いました。今回は希望者が多かったため、1.3年生と2年生の2班に分けて別日に実施しました。
まずはチェンソーの目立て(刃を研ぐ作業)です。講師の先生のお話では、作業中の事故原因のほとんどが目立てが不十分で刃の切れ味が悪く、余計な力を加えてしまうことだそうです。丸棒やすりを使って、付属のゲージを参考に、やすりの角度を約30度で研いでいきます。
そしてエンジンのかけ方や燃料の入れ方など安全にチェンソーを扱うための最終確認を行いました。そして自分の身を守るためのカバーや保護面などを装着し、エンジンをかけ、チェンソーの刃から油が出ていることを確認し、いよいよ本番です。
最初は教習所の講師の先生方の手助けを頂きながら進めていきました。まずは丸太の玉切りを想定した鋸断です。基本の切り方ですね。振動があるのでまっすぐ切断するも慣れが必要です。
次に突っ込み切り。刃の先端を丸太にさして四角形、もしくは3角形に抜く切り方です。刃が丸太の中に入ったら見えないので難易度が高くなります。上手く抜けましたね。
いよいよ立木の伐倒です。初日の学科講習に学んだ通り、まず倒したい方向に受け口を作ります。水平に下切りし、角度30~45度で斜め切りします。
そして芯切り。チェンソーの刃を丸太の中心に入れ、切れ込みを作ります。芯抜け、裂けを防ぐなど安全確保に重要な作業です。先ほど習った突っ込み切りの技術を使います。
最後に追い口切り。反対側に受け口の高さ2/3程度に刃を入れます。その際切り込みすぎず『つる』と呼ばれる切り残される部分を残しておくことがポイントです。
そしてくさびを打ち込み倒していきます。
上手く倒せましたね。切り口もしっかり観察し、『つる』が機能しているか確認しましょう。
実際にやってみると思った以上の振動に戸惑いましたが、何度も行うと慣れてきて、手助けなしにスムーズに切断できるようになりました。最後は使用した機械を自らメンテナンスです。分解しエアーコンプレッサーで切りくずを吹き飛ばします。慣れた手つきになりましたね。
9時間の実技講習も無事終了し、講習を受けた26名全員がライセンスを取得することができました。建機系の資格としては来年3月に、夏季休業中に実施できなかった1年生を対象にフォークリフト技能講習を実施予定です。そして来年度はアーク溶接、小型車両建設機械(整地)、刈払機の資格講習を実施する予定です。将来の進路実現に向け、さらにスキルアップしていきましょう。