人と自然科 ひとはく連携セミナー 農業と外来種、そしてコロナについて学ぶ

6月26日(金)人と自然科1年生「人と自然」の授業で、今年度初となるひとはく連携セミナーが行われました 。1年生学校設定科目「人と自然」の授業では年間9回、県立人と自然の博物館を訪れ、博物館の専門員から、各分野のユニークかつ専門的な講義を直接受講することができます。今年は新型コロナウィルスの影響で3回中止となってしまいましたが、様々な対策を講じた上でついに第1回目を迎えることが出来ました。

人と自然の博物館全面協力の下、ご覧の通り会場はホロンピアホール(大ホール)を準備してくださいました。座席を2つ以上あけ、しっかりソーシャルディスタンス確保!!万全の対策です。

この日は『農業と外来生物、そしてコロナ~ヒアリを例になぜ外来生物が怖いのか~』をテーマに橋本佳明研究員より、外来生物の現状と今問題となっているコロナウィルスとの共通点について学びました。

みなさん少しヒアリについて思い出しましょう。ヒアリはもともと南米原産の外来アリで、1900年代に南米貿易が盛んとなり北アメリカに広がり、その後中国とオーストラリアに広がりました。まさに経済のグローバル化と共に分布域を広げたと言えます。ちなみに好物はポテトチップスなのだそうです。

そのヒアリは人間がかまれて皮膚疾患を起こす(ソレノプシンという毒を持っています)だけでなく、農業害虫として実際に海外ではダイズやトウモロコシ、ジャガイモなどへの被害や放牧地への侵入による家畜の被害も報告されており、多くの農地が放棄せざるを得ない状況となるなど深刻な状況を引き起こしています。

また、機械の中に入ってコードを噛みちぎるなど、都市部で社会経済的な問題も起こしており、たとえば兵庫県で約2億円、沖縄県では約438億円の経済損失をもたらしています。本当に恐ろしい生き物ですね。

橋本先生からはその他の外来生物の侵入例も紹介いただきました。例えば有馬高校でも問題化されている害獣アライグマ。ペットとして持ち込まれたものが野生化したもので、狂犬病を媒介する可能性もある危険動物です。

そして現在世界中で問題となっている新型コロナウィルスとヒアリなどの外来生物との共通点についてお話しいただきました。共通点としてあげられるのは、ヒアリもコロナウィルスもともに中国から来ていること、そして「天敵がいない」ということ、さらに共に解決方法が見つかっていないことです。そして橋本先生の見解では、ヒアリもウィルスも拡大のきっかけは、野生動物と人との距離が近くなったことが原因と考えられるそうです。野生動物のすみかがなくなり、人の近くに動物が降りてきたことで、動物にしか感染しなかったウィルスが人に感染してしまう。そして元々人がほとんど住んでいない南米の熱帯雨林にしかいなかったヒアリが天敵のいない人が住んでいる地域に運ばれ、凶暴化していった・・・。すべては私たち人間に原因があります。

このようにここでは説明しきれない、とても興味深い話をたくさん聞かせていただきました。生徒も一生懸命メモをとりながら話を聞いていました。

橋本先生、本当に心に残る講義をありがとうございました。最後に今回が初めてのひとはくセミナーと言うことで、クラス全員で集合写真をとりました。全員がマスク姿ですが、数年後に振り返ると象徴的な写真になるかもしれませんね。

次回の人博連携セミナーは、9月11日(金)『第4紀末大量絶滅 失われた巨獣たちの世界』をテーマに、古脊椎動物学がご専門の三枝春生研究員より、講義をいただく予定です。先日丹波市で発見され大きなニュースとなった、(現在人と自然の博物館に展示されている)世界最小の恐竜の卵のお話が聞けるかもしれませんね。とても楽しみです。

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