人と自然科 人博連携セミナー 霊長類学が描くヒトの姿について学ぶ

11月30日(金)人と自然科1年生学校設定科目『人と自然』の授業において、今年度第7回目となる人博連携セミナーが実施されました。『人と自然』の授業では年間8回、県立人と自然の博物館を訪れ、博物館の研究員から自然や環境、動植物など専門的な講義を直接頂き、深く学ぶことができます。(今回もみんなで仲良く歩いていきました。)

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この日は三谷雅純研究員より、『霊長類学が描くヒトの姿~ことばの不思議~』をテーマに講義を頂きました。

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霊長類学とはヒトや人の本質を探る学問です。私たちが日常使う『ことば』は他の動物にはない不思議な行動です。その『ことば』の進化史的な性質について詳しくお話を頂きました。

まずは人と自然の博物館と霊長学との関係について話を頂きました。故 伊谷 純一郎準備室長は『ニホンザルの群れの社会構造論』という哺乳類の基本形に関する論文を書かれるなど、日本の霊長類学研究を世界最高水準のものにされました。また、河合 雅雄3代目名誉館長は、『ニホンザルのプレカルチャー論』というニホンザルのイモ洗い行動や小麦の砂金採集法などの文化行動を発見し研究分析をまとめた論文を発表されるなど、人と自然の博物館と霊長学はたいへん結びつきが強いとのことです。

次にヒトの『ことば』の進化についての説明を頂きました。まずは館内に展示されているチンパンジーが書いた絵をみんなで見ました。この絵を見て私たちはチンパンジーが何を書いているのか、ぐちゃぐちゃで私たちにはわかりません。

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それはなぜなのか。答えは『象徴性』が共有できていないためです。例えば私たちは『バナナ』ということばを聞いたら黄色い実を想像します。しかし、フィリピン語の『ピサン』やインドネシア語の『ムサ』ということばを私たちが聞いてもバナナの黄色い実を思い浮かべることはできません。それは象徴性が共有できていないからです。

そしてこの絵は、三谷研究員のお子様が3歳の時に描いた絵です。何を書いているかわかりますか?

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お母さんにお口の中を見てもらっている怪獣の絵だそうです。なんとなく理解できてきます。このことからことばというものは象徴性を身に付け、いかに浮かべるか、と説明することができます。

このように今回はたいへん専門性の高い講義となりました。そのような中でも受講した生徒は一生懸命メモを取り、興味を持って聞いていたのが印象的でした。

最後におまけで博物館内に展示されていた、青いダンゴムシを見学しました。ご覧になった方もいらっしゃるかもしれませんが、11月9日(金)放送の朝日放送テレビ「探偵!ナイトスクープ」で、青いダンゴムシを探す依頼が番組で取り上げられ、探偵役の真栄田 賢さんから青いダンゴムシについて質問されていたのが、人と自然科のセミナーでもよくお世話になっている鈴木武研究員でした。鈴木先生自ら青いダンゴムシについて解説していただきました。

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ちなみに青いダンゴムシは、普通にいるダンゴムシ( オカダンゴムシ) が、イリドウイルスに感染し、殻の下にウィルスが集まって青くなっているのだそうです。

次回の人博連携セミナーは最終回、1月11日(金)『公園利用者とすすめるパークマネジメント』と題して、環境がご専門の藤本真理研究員より講義を頂く予定です。

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