8月27日(月)県立農業高等学校で開催されたPCR法による水稲品種のDNA鑑定技術研修会に人と自然科2年生の生徒5名が参加しました。
兵庫県内には11校の農業高校と1校の水産高校がありますが、兵庫県のほぼ中心(東西の)にある県立農業高校には高速液体クロマトグラフィー(HPLC)や電子顕微鏡などの最先端の分析機器が設置されており、県内の農水産高校の生徒がプロジェクト学習を通した研究活動に利用することができます。
今回はこれらの分析機器の活用に向け、機器操作や分析サンプルの調整方法、機器の活用方法を学ぶための講習会が開催されました。
この日のテーマは、PCR法による水稲品種のDNA鑑定。簡単に説明すると、設計図である遺伝子・DNAを短時間で100万倍に増幅させ判断しやすくし、どの品種なのかを診断するいうものです。研修当日は、品種が隠されたサンプルA・Bとキヌヒカリ・コシヒカリの4つの供試材料を用いて行いました。
方法は以下の手順で行います。県立農業高校生物工学科の生徒に丁寧に教えていただきながら実験を進めていきました。
・エッペンにサンプルの米粉砕物をマイクロスパーテルでひとさじ入れ、ペレットミキサーを回転させるようにして細かく粉砕する。
・DNA抽出試薬をマイクロピペットで添加する。
・ボルテックスで10秒間攪拌し、遠心分離する。上清をマイクロピペットで採取し、PCRミックスが入ったチューブに添加し、サンプルをプレートに入れ、約4℃にする。
・温度が安定したものを、サーマルサイクラーというポリメラーゼ連鎖反応 によりDNA断片を複製させるための機器にセットする。
・トランスイルミネータで紫外線照射し、判定する。
※コシヒカリのDNAの特定の部位と結合した短い塩基(プライマー)を増殖させた部分が蛍光発色するので、発色したものがコシヒカリということになる。(誤差は一兆分の1だそうです)
結果、サンプルAが見事に蛍光発色し、コシヒカリと断定することができました。
なかなか原理を理解するのが難しかったですが、どうにかやり遂げることができました。最後に修了証書を頂きました。
これからの農業は科学的根拠に基づいた視点が重要となってきます。今後取り組む課題研究やプロジェクト活動で分析が必要となったら、また県農にお邪魔しましょう。本日一日大変お世話になりました。