1学期終業式挨拶

 皆さんおはようございます。早いもので、1学期が終わり、明日から夏休みに入ります。皆さんは納得のいく1学期を送れましたか。送れたという人は手を挙げてください。
 ところで、皆さんは、高校卒業後、あるいは大学や大学院等の上級学校を卒業後、ほぼ全員が就職すると思います。では、皆さんは、企業が今、どんな人材を求めていると思いますか。大手企業のホームページに掲載されている「当社が求める人材」を見ると、
 日本航空は「対人関係能力」「課題形成能力」「課題解決能力」
 日本IBMは「指示を待つことなく、自分から何かを創り出していける方」
 トヨタは「自ら提案・実行し、問題を解決することができる人材」とありました。
 こうして見ると、企業が求めている人材には共通点があることがわかります。企業は即戦力を求めていると聞いたことがあります。即戦力というと、一般にはスキル、資格、専門的知識、業務経験などを指すと考えがちですが、どうもそれだけではないようです。即戦力ということについて、大手企業のホームページには、「仕事人としての即戦力性、つまり、決断の際にリスクがあると認識しつつ、あえてリスクがある方を選択し、主体的に自分で考えて仕事を進めていける力」と記されていました。社会環境が猛スピードで変化し続ける中で、企業も絶えず変化し続けなければ淘汰されてしまい、生き残れないのです。また、単に労働力だけを求めるなら、長時間労働の可能なロボットの方がコスト面ではるかに安くつくのです。こうしたことから、企業は今、「課題解決のために自分で考えて主体的に行動できる人」を求めているのです。
 では、「課題解決のために自分で考えて主体的に行動できる人」をどうやって見抜くのでしょうか。それは、行動原則、つまり自分がよってたつ行動軸・判断軸があるかどうかのようです。行動原則のない人は、興味本位で何にでも手を出します。失敗しても、行動に原則がないから何をどう修正したらよいかわからない。その結果、経験に学ぶことがなく同じ過ちを何度も繰り返します。一方、行動原則のある人は、行動に移すべきかどうかの判断ができます。失敗しても、その都度、行動原則を修正できます。その結果、経験に学んで行動原則が成功モデルにまで高まっていきます。
 企業の人事担当者は、面接で、行動原則のある人を見抜くために、
 ①これまで取り組んできたことは何か
 ②どのようなやり方でそれに取り組んだのか
 ③そのやり方は通用したのか
 ④通用しなかった原因は何なのか
 ⑤次にどのようなやり方をとるのか/とったのか
こうした一連の質問をするそうです。思わず、「なるほど」と納得してしまいます。
さて、皆さんは今日の話から、何を感じ取ってくれたでしょうか。私が皆さんに望むのは「指示待ち」「他人任せ」ではなく、「自分で考えて主体的に行動できる」ことです。ご存じのように42回生が受験する大学入試から大きく変わろうとしています。従来のペーパーによる1点刻みの合否判定から、高校時代に何に主体的に取り組んできたか、これが大きく合否判定に影響するようになります。こうした動きは、今話したように社会の要請によります。
 では、どうしたら、そんな自分づくりができるのか。『仕事術』という本の中に、その有効な方法として「振り返りの習慣」を身につけること、が挙げられていました。ある一つのことが終わった時に、それを振り返り、成功した点と失敗した点を確認する。特に失敗した点については、同じ失敗を繰り返さないように改善を図る。これを習慣化できれば、自ずと「自分で考えて主体的に行動できる」ようになるそうです。ぜひ「振り返りの習慣」を身につけてください。この習慣は、学習や部活動などでも非常に有効であると思います。今日早速、1学期の自分と向き合って振り返り、改善につなげてください。
 最後に、この夏休み、1・2年生は勉強に部活動に、そしてボランティア活動に、3年生は受験勉強に、それぞれに悔いのない充実した時間を過ごしてください。
それでは、9月にこうして全員が元気に登校してくれることを願って、式辞とします。