ペーロン競漕

校長 西 茂樹

 相生と言えば「ペーロン」です。発祥は紀元前300年頃の中国の戦国時代に遡ります。楚の宰相屈原は懐王を助けて善政を敷き、名宰相といわれていましたが、讒言により政界から退けられました。その後、懐王は秦の軍勢に捕えられ客死しました。屈原は楚の国運を嘆いて汨羅(べきら)に身を投じました。人民はこれを非常に悲しみ、「ちまき」を作って川に投げ、龍船(白龍)を浮べて競漕し、その霊を慰めました。ペーロンはこの「白龍」の中国音のパイロンがなまったものと言われています。
 日本には1655年に伝来したと言われています。当時、数隻の中国船が長崎港を訪れた際、強風のため出航できなくなり、海神を慰めて風波を鎮めるためにペーロン競漕を港内で行いました。これを長崎の人達が取り入れ、同地の年中行事の一つとなって今日に至っています。
 相生では、大正11年に長崎県出身の播磨造船所従業員によって伝えられ、終戦までは毎年5月27日の海軍記念日に同社構内天白神社の例祭として、ボートレースとともに行われて来ました。この異国情緒あふれるペーロン競漕を絶やすことなく続けたいとの地域の思いが結実して「相生港まつり」として引き継がれ、昭和38年から「相生ペーロン祭」の海上行事となりました。ドン!デン!ジャン!と、中国特有のドラと太鼓の音に合わせて力漕する姿は、まさに龍が水面を駆けるようで壮観そのものです。
 本校では、4月13日(金)に2年生の校外活動として、新クラスでの親睦と団結、相生市の伝統文化に触れることによる郷土愛や日本人としてのアイデンティティの醸成等を目的として、相生湾で「ペーロン競漕」を行いました。午前に相生市担当者からペーロン文化についての講義を聞き、実際に乗船して漕ぎ方等について講習を受け練習した後、午後には予選レースと決勝を行い、楽しく充実した時間を過ごしました。
 なお、来る5月26日(土)・27日(日)に開催される2018相生ペーロン祭には本校生がボランティアとして参加します。