平成29年度を終えて

校長 西 茂樹

 早いもので、平成29年度が終わろうとしています。3月19日(月)に第4学区複数志願選抜の合格発表がありました。その1ヵ月前には自然科学コース推薦入試の合格発表がありました。親子で歓喜する姿、涙する姿を目の当たりにして、私も胸が熱くなりました。こうして本校を目指し、見事合格の栄誉を勝ち取った新入生の期待に応えられるよう、教職員一同その責任の重さを再認識しつつ教育活動に邁進していきたいと考えています。
 さて、3月23日(金)に3学期終業式を行い、生徒達に次の話をしました。
 「相生高校に入学して、1年、あるいは2年が経とうとしていますが、入学した時の決意を今も持続できていますか。夢を追い求め続けていますか。目標に向かって邁進し続けていますか。自分自身に問いかけてみてください。
 さて、2年前のことですが、イギリス・オックスフォード大学のオズボーン准教授が、『雇用の未来』という論文の中で、あと10年で消えてなくなる職業を発表しました。これまで人間にしかできないと思われていた仕事が、ロボットなどの機械、いわゆる人工知能にとって代わられるというのです。皆さんはどんな職業がなくなると思いますか。
 論文には、受付や案内の仕事、事務員、作業員、修理工、店員、販売員、オペレーター、ネイリスト、スポーツの審判など702の職業が挙げられています。現に、この中には、この2年間で現実のものとなった職業がいくつもあります。このままいくと、超高齢化社会を迎える10年後には、医療や福祉関係の仕事を除いて、日本の全労働者の4割ほどの人が職を失うことになります。
 一方で、ロボットデザイナー、ロボット修理工、ロボットセラピスト、ロボットトレーナー、ロボットファッションデザイナーといった、ロボット関連の仕事が新たに必要になると考えられています。
 以前は、二十歳頃までに身につけた知識や技能でその後の生活が保障されていました。しかし、これからは、絶えず知識や技能を吸収し続けなければなりません。つまり、学び続けなければなりません。というのは、就いた職業がずっとあり続ける保障がないからです。しかも、一見関係がないと思われる他の分野を学ぶ必要性も増してきます。例えば、技術者の場合、特許のことを考えると法律の知識が必要です。原材料コストのことを考えると為替レートなどの経済の知識が必要です。海外とのやりとりのことを考えると英語力も必要です。
 こうして考えると、これからの社会に生きる条件は、何を身につけたかではなく、今後どれだけのことを身につけていけるか、だと思います。こう言うと、これまでの学習を否定しているように聞こえるかもしれませんが、決してそうではありません。今後さまざまなことを身につけていくためには、その基盤となる基礎学力がますます重要になってくるということを強く認識してほしいと思います。学習に無駄はないのです。
 皆さんは、受験に関係がない、興味がないなどといった理由で疎かにしている科目はありませんか。苦手科目を避けて通ろうと逃げていませんか。こうした姿勢では、これからの社会を生き抜くことはできません。ぜひ、10年後、20年後の自分のために、向学心を持ち、あらゆることを学ぼうとする姿勢を持ち続けてほしいと思います。
 今日、通知票を渡します。平成29年度の自分としっかり向き合い、その反省の上に立って、また、合格発表のあの瞬間を思い起こし、「初心」にかえって学び続けてほしいと思います。」
 平成30年度の本校生の大いなる飛躍と成長を期待しています。