平成29年度第1学期始業式

 着任式終了後、始業式を行いました。
 式辞の中で西校長が、平成29年度にかける決意を生徒に尋ねると、生徒からは勉強や部活に対する力強い決意が返ってきました。そして、西校長から、高浜虚子の「春風や闘志いだきて丘に立つ」という句からも感じられる「初々しさ」「純粋さ」を失うことなく、心の中から湧き上がる熱い思い(闘志)を貫いてほしいという話がありました。

 以下に、西校長の式辞を全文掲載いたします。
____________________

 皆さんおはようございます。平成29年度が始まりました。ここにいる一人ひとりが、気持ちも新たに今日を迎えていることと思います。ここで、平成29年度にかける皆さんの決意を聞かせてほしいと思います。
 皆さんもよく知っているように、セミやトンボなどの昆虫、エビやカニなどの甲殻類、ヘビやトカゲなどの爬虫類はいずれも「脱皮」を繰り返しながら成長していきます。一方、我々人間も、一生のうちに何度も内面的な「脱皮」を繰り返しながら成長していきます。その時期は人それぞれ異なりますが、少なくとも、「環境」が変わることで、その契機となるケースが多いように思います。
 「環境」が変わることで、新たな「自覚」が生まれ、それが「意識」や「行動」の変化となって表れる。これを「成長」というのだと思います。皆さんも、平成29年度を迎え、「環境」が変わりました。3年生は最高学年に、そして受験生に。2年生は学校の中核に、そして先輩になりました。その「自覚」の上に立ち、「意識」や「行動」を一段高いレベルに引き上げて、新入生の模範となる「成長」した姿を見せてほしいと思います。
 ところで、俳人、高浜虚子の句に、「春風や闘志いだきて丘に立つ」という句があります。私は春になるといつもこの句を思い出し、身の引き締まる思いがします。「春風」は「はるかぜ」と読むという説と、「しゅんぷう」と読むという説がありますが、いずれにしても、この句は、暖かく柔らかな春の風に吹かれながら、「よしやるぞ」という闘志を抱いて丘の上に立っている、という意味です。
真っ直ぐ前を見つめたまま、凛として丘に立つ高浜虚子の自信に充ち溢れた姿が目に浮かぶようです。
 実は、この句は大正二年に詠まれたもので、季語や定型にこだわらない河東碧梧桐などの新傾向俳句に対して、俳句の伝統を尊重し、それを守ろうとして立ち上がった高浜虚子の強い決意が込められています。皆さんはこの句から何を感じ取りますか。多くの人が感じ取るのは、「闘志」「勇気」「力強さ」などではないかと思います。私はそのほかに「初々しさ」「純粋さ」も感じます。というのは、つらく面倒なことを避けようとする若者、挫折を恐れて尻込みする若者、計算高くすぐに見切りをつけて諦めてしまう若者、そんな若者が最近目立つ中で、何かしら不安を抱きながらも、沸々と心の中から湧き上がる熱い思いを貫こうとする姿勢。そんな姿勢がこの句からはうかがわれ、私はそこに「初々しさ」「純粋さ」を感じるのです。
 さて、自分に限界を作ってしまうと、そこで成長は止まってしまいます。今、皆さんは、勉強や部活動に、心機一転「よしやるぞ」という「闘志」を抱いていることと思いますが、その裏にある「初々しさ」「純粋さ」を失うことなく、沸々と心の中から湧き上がる熱い思い貫いてください。そして、自分の無限の可能性を信じ、自分の夢、自分の未来に向かって、ひたすら邁進し続け、成長し続けてください。そんな充実した平成29年度にしてくれることを切に願っています。
 「春風や闘志いだきて丘に立つ」
 皆さんにこの句を贈って式辞とします。