令和3年度 1学期終業式 式辞

 みなさん、おはようございます。
 コロナの影響で、こうして放送やオンライン中継で行事や式典を行うことが当たり前のようになってきました。昨年来、これまで当たり前だった事が当たり前でなくなってきています。学校の部活動の帰りに友達と自動販売機でジュースを買って楽しく会話をする。本来何の問題もない微笑ましい行動なのに、地域住民から厳しい苦情が寄せられたりします。今の世の中が「何が正解かわからない」時代であると言われる状況を物語っています。今後ワクチン接種が進み集団免疫ができることで、一日も早く元の通常の生活に戻って欲しいものです。今、元の生活と言いましたが、コロナ終息後の社会では、大きく産業構造が変革していくことが予想されています。歴史的・世界的にみても、黒死病とも呼ばれたペストやスペイン風邪などの感染症等が大流行した後は、新たな価値観が生まれ、技術革新や法制度の改革、産業構造の大変革が起こってきました。皆さんが生きていこうとしているのは、こうしたポストコロナ時代なのです。今後デジタル化の加速など、時代の急激な変化に柔軟に対応できる力や今まで以上に他者と協働していく力が求められるのはいうまでもありません。

 コロナ禍にある1学期でしたが、まずは、皆さんに感謝したい。4月来、緊急事態宣言とまん延防止等重点措置が発令された中での1学期でした。部活や行事など制限のある中で、なんとか教育活動を続けてきました。皆さんの感染対策への意識の高さと予防に向けての行動力が身を結び、学級閉鎖や臨時休校等の大きな混乱を招くことなく、教育活動が展開できたことは本当に喜ばしく、皆さんに改めて感謝いたします。夏休み中も、引き続き強い危機意識を持って、感染予防に努めて欲しいと思います。

 ところで、1年生の皆さん、進路や将来に対しての目標は立てましたか?人生を左右する文理選択も迫ってきています。校長先生は高校時代、数学と化学が好きでしたが、物理の先生が大嫌いで、それだけの理由で親にも相談せず、文系を選択しました。後で、かなり後悔したのを覚えています。学年通信をよく読んでみてくださいね。2年生の皆さんは、目標は確立し、その達成のための戦略を立てていますか?文武両道・両立は大変だとは思いますが、しんどいからこそ成長できるのだと思います。勉強と部活あるいは趣味に邁進してください。3年生はいよいよ進路実現のために、蓄えてきた力を発揮しはじめる時期が迫ってきています。「夏を制する者は受験を制する」と言われるように、あきらめずに自分を信じて、自分に負けずに頑張り抜いて欲しいと思います。この夏で、さらにグッと伸びる人も多いはずです。3年の学年通信に大谷翔平選手の目標達成シートの事が記載されています。ぜひ参考にしてください。

 さて、今日は、「自分を知る」という話をします。「自分を知る」すなわち自分の強みや弱みを理解し、持てる武器を知り、戦い方を知っておくことは、(受験や部活をやり抜く上で)極めて重要です。自分は、どんな性格で、緊張するとどうなるのか、お腹が痛くなってしまうタイプなのか、勉強方法は夜型なのか、試験前日は早く寝るタイプなのか、寝てしまうことが不安に思うタイプなのか、音楽を聴きながら勉強したいタイプなのか・・・などなど言い出せばきりがありませんが、私は、高校時代なぜか試験前に限って本が読みたくなったり、読まなくても良いマンガを読まないと勉強ができませんでした。親から勉強しなさいと言われたらする気がなくなったり。定期考査前は、よく暗記ができるのに、受験勉強はなぜかはかどらない。なぜなんだろう・・と、とても不思議で仕方ありませんでしたが、脳科学的には極めて正常らしいです。高校時代に教えて欲しかったですが・・・とにかく自分を知るために、自分に合った学習スタイルを知るために、いろいろと試しながら自分を知り理解することで、そんな自分に自信を持つというか、安心させることがとても大事なんです。不安で、心配で、緊張しすぎたりすると、どうやら脳は萎縮してしまい本当の力が発揮できなくなるようです。だから、そうならないためにも自分を知り、できればその解決方法を知っていれば最高ですよね。緊張した精神状態を解放する方法、解放できなくても緊張を楽しむ方法はあるはずです。私も実はかなりの緊張人間です。人見知りだし、人に声をかけるのも苦手で、いつも緊張しすぎてしまう人間です。試験の前日や当日は必ずお腹が痛くなってしまいます。でも、それをマイナスに思ったり、恥ずかしいことだとは思わずに、そんな風になる自分を認め、「またなったわ。いつものことやから仕方ないな」と思うようにしています。不安に感じたり動じたりすることのないように心掛けています。そして、できるだけ前向きな発想(プラス思考)をするように心掛けています。また、日頃からそういう弱い自分に対抗するために心がけているのは、毎日頑張って、勇気を持って人に接することです。自分から進んでする元気良い挨拶も私自身を強くしてくれているアイテムの一つです。

 実は、私が今、話していることを、この春卒業し、見事東大に現役で合格した42回生の森川君が進路の手引きの中の合格体験記で記述しています。彼は、自分の武器を知り、戦い方を知ることで自分に自信を持つことができると言っています。彼はまた、君たち後輩に向けて、「そのために、重要なのは、時間があるうちに様々なことを試すことであり、自分が無理なく続けられる方法を探し出す」ことが重要であるといっています。
 もう一人、印象に残ったのは、山口大学に合格された40回生の井口君のメッセージで、「相生高校では毎日のように小テストがありますが、小テストは合格を目標にしていても全く意味がないことを、3年生になってとても実感しました」というものです。小テストは合格できたらホッとして、「はい!終わり」では無く!継続して繰り返し覚えることで自分のものにしていくことが重要だと・・・
 このように、実は、進路の手引き(別冊)の先輩の合格体験記には、人それぞれのいろんなパターンがあるので、とても参考になりありがたいです。自分に合わない先輩のは、申し訳ないですが、飛ばして次へどんどん進めば良いです。体験記はたくさんあるので、読むのにしんどくなります。でも途中でやめてしまったら、本当に出会いたい体験記に出会えないかもですよ。ぜひ夏休み中に目を通してみてください。
 では皆さん、コロナ対策を忘れず、どうやらオリンピックもありそうですが、テレビに釘付けになりすぎずに、どうか有意義な夏休みを過ごしください。
 全員が無事に二学期の始業式を迎えてくれることを切に願い式辞とします。