令和2年度3学期始業式生徒指導部長講話全文

 おはようございます。今日も少し時間を取って話しますので、しっかり聞いて自分に還元して下さい。
  私も一応、社会科、今は地歴公民科といいますが、歴史の教員ですので、社会に関する話を今日はします。
  2021年の干支(えと)は「かのと・うし」と読み、漢字では辛いという字と土用の丑の字を書きます。干支は十干(じっかん)の8番目「辛(かのと)」と、十二支の2番目「丑(うし)」を組み合わせたもので、60通りの中の38番目にあたります。世界史Aを選択した皆さんは聞いたことがありますね。今からちょうど120年前、義和団事件の講和条約である北京議定書の別名です。そう、辛丑(しんちゅう)和約ですね。

  十干(じっかん):甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸
 十二支(じゅうにし):子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥

 「辛丑(しんちゅう)」とはどんな年になるのか?・・・・・・ネットで色々調べてみると、・・・・・古きことに悩みながらも終わりを告げ、新しき芽生えを見いだす年になるそうです。何を終わらせ、何を見いだすのかはその人次第でしょうが、その指標となるのは各々の心の強さと日頃の行いだということだそうです。
  干支は、未来に起こることを知るための占い的な要素を持っています。東洋の思想では、未来は既に決まっているもので、人はそれを知るすべを持たないのです。まさに神のみぞ知るというわけで、東洋の占いは基本的には未来を知るためのものです。東洋と西洋では時間の流れの概念が逆であり、東洋思想における時間は、未来から過去へと流れている。神様や仏様と呼ばれる全能の意思によって未来は既に定められていて、それが私たちに降りかかってくると考えるのです。
 故に「西洋の占いは、未来を良い結果に導くために今何をすべきかを問う」ものでして、朝のTVでもやってますね。今日のおとめ座のラッキーアイテムは○○?幸運を呼ぶ色は〇色?とかね。・・・それに対し、「東洋の占いは、この先自分の身に降りかかってくる定められた未来の出来事を知り、それに備えるためのもの」なのです。例えば、午後に雨が降ることがわかれば、傘を持って出かければ良い。今年は凶の御神籤を引いたから気をつけて生活せなあかんとか・・・ですね。
 東洋の思想では、まずは天意をすべて受け入れ、それに備え、乗り越え、そして良い方向へ進むために何をすべきかを考え行動することが、幸せを得る秘訣というわけです。
  未来の出来事を知るためには、過去を振り返り歴史を学ばなければなりません。「歴史は繰り返す」のです。
 今から60年前の1961年は、ジョン・F・ケネディがアメリカ大統領に就任した年であり、ドイツで「ベルリンの壁」が建設され、ソ連とアメリカの冷戦が激化した年です。日本では、マグニチュード7の北美濃地震が発生し、北陸地方から岐阜県にかけての広い範囲で被害がありました。
 120年前の1901年は、第1回ノーベル賞受賞式が行われました。アメリカのマッキンリー大統領の暗殺事件や、清(中国)での義和団事件が終結して北京議定書(辛丑和約)が調印され、清に対する欧米列強の権益が拡大し、中国が半分植民地化されていくという形で終わりました。また、日本では官営八幡製鉄所が操業を開始、足尾鉱毒事件が明らかになり、田中正造が、明治天皇に直訴するという出来事がおこっています。
 180年前の1841年は、天保の改革が行われました。日本史選択者の皆さん、覚えてますか?・・・老中水野忠邦による改革ですが、改革の中身は、ぜいたくの禁止・倹約・風俗の取り締まりなどを強化したため、江戸のにぎわいが消え、庶民は不満を抱えるようになったそうです。天保の改革は、経済に冷水をかけるような政策であり、歴史的にも評価が低い改革だそうで、コロナで経済が逼迫している今現在と同じようですね。
 また、宇和島地震(M6)が発生し、愛媛県の宇和島城や大洲城等が損壊したそうです。  
 このように歴史を振り返り、未来の出来事を推測し、それに備えなければならないというのが東洋の考え方です。辛丑の年に大きな地震が2回もあったのなら、それに普段から備える必要もありますね。コロナで窮屈な世の中になってますが、その中で、新しい芽生えの年であるとも言われてます。皆さんがそれぞれ何かを見出していくのは、各人の日頃の行いです。自分のため、家族のため、クラスメートのため、部活動のため、相高のため 等々、一杯ありますね。校長先生も言われたように何かを目標にしてしっかり学ぶことが一番の近道かもしれません。皆さんの成長・進化に期待しています。