入学行事 校長訓話

 ただ今、入学を許可いたしました二百名の新入生の皆さん、入学おめでとう、教職員一同、心からお祝い申し上げます。保護者の皆様、本日はお子様のご入学、誠におめでとうございます。心からお祝い申し上げます。
 本来ならば、来賓ご臨席の下、盛大に入学式を挙行すべきところではございますが、新型コロナウイルス流行による緊急事態宣言を受けて、新入生説明会という形で開催させていただきます。どうかご理解を賜りますようお願い申し上げます。
 さて、新入生の皆さんは、不安が入り混じりつつも、輝く希望と期待に心弾んでいることでしょう。相生高校での新しいスタートの喜びは、皆さんの努力の賜物であります。3月、新型コロナウイルス流行による突然の休校。入試に臨むにあたり不安は底知れないことだったと察します。しかし、その試練を乗り越えた今、皆さんは相生高校で学ぶことを選択しました。ここに至るまでに、ご家族の温かい愛情や、中学校の先生方の熱心なご指導があったことを決して忘れず、感謝するとともに今日は、皆さんの自ら学び、自ら成長を願う決意を改めて確認する場であり、ここにおられる多くの先生方や保護者に対する宣誓を示すものであります。
 「春風や 闘志抱きて 丘に立つ」
 この高浜虚子の俳句は、時代を超えて心に響く句であると思いますが、今、皆さんの心はいかがでしょうか? 意欲に燃えていますか。
 人間は、誰しも楽をしたいと思います。でも、今の自分をもっとよくしたい、向上させたいという気持ちがあることも事実です。入学式はこのような気持ちの切り替えに一役買ってくれる機会でもあります。
 さて、本校は高度経済成長という社会背景の中、地域の方々の熱い思いが実り、昭和五十二年に開校しました。国内外に優秀な人材を多数輩出いたしております。周囲を、緑豊かな木々に囲まれた閑静な高台に位置し、眼下には、相生の町並みや波穏やかな相生湾を臨むことができます。皆さんはこの恵まれた教育環境のもとで、人生で最も意義深い、青春の三カ年を送ることになります。この大切で貴重な時期を本校で学ぶ皆さんにひとつお話します。
 第35代アメリカ合衆国大統領である、ジョン・F・ケネデイ大統領が、1961年1月20日、大統領就任演説で話した言葉です。
 「我が同胞アメリカ国民よ、国が諸君のために何が出来るかを問うのではなく、諸君が国のために何が出来るかを問うてほしい」
 私はこの演説を次のように言い換えたいと思います。「新入生の皆さん、相生高等学校が皆さんのために何が出来るかを問うのではなく、皆さんが相生高等学校のために何が出来るかを問うてほしい」
  相生高校を作り上げてきたのは、生徒の皆さん、先生方、同窓会、PTAの皆様、地域の方々、その他大勢の皆様です。長い伝統がこの環境を作り上げてきました。皆さんは入学当初は戸惑うことも多いでしょう。しかし、相生高校から与えられることだけで満足していては、それ以上の進歩はありません。主体的・対話的で深い学びをしていくためには、自ら学び取る姿勢が必要です。これまでの先輩方が築きあげてこられたこの相高という環境を、自分の力でさらに発展させてほしいと願っています。皆さんは、この歴史と伝統ある県立相生高等学校の第四十四回生としての誇りを胸に、常に志を高く持って、夢の実現、目標の達成に向けて学び成長し続けてほしいと思います。
  最後になりますが、保護者の皆様にお願いがございます。高校の三年間は、人生の方向を決定する大事な時期であり、その一方で悩みや苦しみが大きい時期でもあります。私達教職員は、お子様が自らの生きる道を、自らの力で切り拓いていけるよう、全力で指導に当たって参りますが、お子様の健全な成長を願い、豊かな個性を育てていくためには、学校と家庭がそれぞれの役割を果たしながらも、相互に補完し合い、連携を密にしていくことが重要であると存じます。どうか、本校に対するご理解ご協力、そして信頼をよろしくお願い申し上げます。
 新入生の皆さん、本校の校訓「自律」「創造」「敬愛」のもと、知・徳・体の調和のとれた、心豊かに、高い志を抱き、未来を主体的に切り拓いて行く人間として成長していくことを期待し、訓話とします。
              令和二年四月八日 兵庫県立相生高等学校長 小西信吾