2学期を迎えて

校長 西 茂樹

 本校ホームページをご覧いただき誠にありがとうございます。2学期が始まりました。今年の夏は猛暑が連日続き、熱中症や怪我・事故等を心配していましたが、命に関わる大きな事故もなく、全校生が元気に登校できたことをとても嬉しく思っています。
 この夏休み、第100回全国高等学校野球選手権大会西兵庫大会において19年ぶりにベスト16に進出した野球部をはじめ、多くの生徒の頑張りや活躍を目の当たりにして、相高生のすばらしさを再認識した次第です。特に、自習室として解放した図書室は連日満席で、受験に向かって真剣に学習する3年生の姿が見られました。一方、グランドや体育館には部活動に懸命に取り組む生徒達の姿がありました。こうした努力は必ず報われると確信しています。「ローマは一日にしてならず」と言います。諦めず、挫けず、納得のいくまで頑張り抜いてほしいものです。
 ここで、2学期始業式で生徒達に話したことを記します。

 「私は今57歳です。最近、自分の記憶力の衰えに驚くと同時に、若い頃はもっとスラスラと覚えられていたのにと情けなくなります。皆さんの中にも、覚えるのが苦手だという人が少なからずいると思います。今日は年齢に応じた記憶方法について話をしたいと思います。
 皆さんも幼い頃は丸暗記が得意だったと思います。小学生頃までの人間の脳は未発達のため丸暗記しかできないそうです。中学生頃にかけて脳の前頭前野が次第に完成していきます。この前頭前野は、記憶や情報をいったん取り上げて、つながりを作ったり、理屈を考えたりする場所です。したがって、皆さんのような高校生頃になると、論理だった記憶能力が発達するため丸暗記しようとしてもスラスラと覚えられなくなっているそうです。
 東京医科歯科大学の川良健二教授は『原因・推移・結果などの情報を、全体の流れの中で関連づけて一緒に覚えることが高校生にピッタリな記憶方法である。[いつ・どこで・だれが・何を・結果=井戸だな、結果]と覚えるのがよい』と言っています。加えて、『感情を込めることで、ただの情報ではなく、自分の心を動かした印象的な知識として記憶に深く残り、忘れにくくなる』とも言っています。社会や理科はこの方法で、『全体の流れの中で関連づけて』ということであれば、英単語や英文法、漢字や古文単語は文章や例文を通して、数学であれば解を導き出すストーリーを考えて、覚える工夫をしてはどうでしょうか。
 一方、慶応義塾大学の長澤瑛一朗教授は『ホップ・ステップ・ジャンプという復習のタイミングを設定しよう』と言っています。学習したその日のうちに1回目の復習、翌日に2回目、翌々日に3回目、1週間後に4回目、1ヶ月後に5回目、このサイクルで復習を繰り返すと忘れないそうです。休日や定期考査も活用して、このサイクルを確立してください。まずはやってみることから始めてください。
 さて、2学期が始まりました。
 1年生は将来の職業や生き方を考え、それを踏まえた文理選択に入ります。自分の将来像を描けるようにしてください。と同時に基礎力をしっかりと定着させる時期です。今も話したように、基礎力を定着させる工夫と努力を惜しまないでください。
 2年生は高校生活の折り返し点を迎え、進路実現に向けて本気になる時期です。いつ本気になるかで進路結果が大きく変わってきます。皆さんが受験する次の年の入試から大きく変わるため、浪人を避けようとする傾向が顕著になり、非常に厳しい入試になると予想されています。後で後悔しないようにしてください。
 3年生は受験への不安、すぐに結果が出ないことへの焦りが大きくなるばかりだと思いますが、以前に話したように、この夏休みの頑張りが結果に出るのは早くて3ヶ月後です。精神的にタフでなければなりません。自分を信じ、先生方の指導を信じて最後まで諦めず挫けず弱気にならず目標に向かって突き進んでください。」
 相高生全員が、それぞれに充実した2学期にしてくれることを切に期待しています。