令和3年度 2学期始業式 式辞

 みなさんおはようございます。40日間の夏休みはどうでしたか?補習、部活、そして家庭学習にと本当に貴重で有意義な時間を過ごしてくれたのではないかと思います。今日、体調が悪くて休んでいる人もいますが、大きな事故や事件に巻き込まれずに、こうして全員の無事が確認できたことをまずは、うれしく思います。
 ただ、この夏は、例年にない長雨とコロナウィルスの猛威により、ニュースの中で「予想を超える」とか「想定外の」とか「これまで経験したことのない」とか「最大級の」というような言葉が飛び交っていました。本当に何が起こるかわからない時代になったと実感すると共に、自分の身は自分でしっかりと守っていかなくてはいけないと改めて感じさせられました。
 いよいよ二学期が始まりますが、緊急事態宣言発令中であり、デルタ株がさらに猛威を振るうのではないかと危惧されています。今のところ、部活動に大きく制限がかかっていますが、県外活動以外の学校行事等は予定通り動かす予定です。ただ感染状況次第で中止や延期の可能性も出てくると考えられます。また2年生の修学旅行は延期せざるを得ない状況です。本当に申し訳ない思いです。生徒の皆さんには、登下校や部活中、食事中のマスクを外しての会話はしないように注意するとともに、自分自身や家族に発熱等の人がいる場合やPCR検査を受ける人がいる場合は絶対に登校しないように再度留意してください。またマスクも、ウレタンマスクではなく不織布マスクを着用するように努めてください。どうか今まで以上に危機アンテナを高くして感染予防に努めてください。。

 さて、この夏休み中にうれしい事だなと思ったことが2つありました。1つ目は、自然科学コースの体験入学やオープンハイスクールでの中学生や保護者への接遇の素晴らしさです。生徒会や部活動の諸君達のおもてなしの態度について、保護者の感想文に「学校の様子と品格がわかる。」とあったようです。相高生に「品格あり。」うれしいですね。また、中学生の親子が裏手というか、西側から来られた際に、どこに向かえば良いか迷われていたときに、ソフトテニス部の女子生徒が、わざわざ一緒に受付まで誘導してくれたそうです。ささいな行為ですが、道を口で説明するのではなく、困っている人に手を差し伸べるその勇気に、保護者の方は感動されていました。2つ目は、相生高校1回生で、大学卒業後国税局で勤務され、この7月末から姫路税務署長として着任された中川様が来校されました。なぜ来校されたのかというと、きっかけは、先月久しぶりに相生の実家に帰ったときに、朝の登校時に元気の良い挨拶を男子生徒がしてくれたそうです。もうとてもうれしくなって、母校に行ってみたくなった。そして母校に貢献したくなった!と言ってくださいました。
 今紹介したことに共通しているのは、いずれも皆さんの行動、優しさ、挨拶が、「人の心を大きく動かしている」ということです。私は、これこそがコミュニケーション能力だと思います。中川さんは、たかが挨拶だが、たったそれだけでも、人を感動させる力がある。そして、企業でも行政でも社会人として、自分から挨拶できる人、大勢の中でも自分から手を挙げて意見を言える人、同じく手を挙げて質問できる人、後輩達にはそんな人になって欲しいと言われました。そして、それには「勇気」がいる。その勇気を高校と大学時代に養って欲しい!と言われました。中川さんの言葉からは、母校を愛する気持ちが強く伝わってきました。

 でも、皆さん、心を動かすのは、良いことだけではありません。逆もありますよね。先週、初老の男性からの苦情です。すでに皆さんには伝わっているかもしれませんが、電車の中で本校生がマスクを外して会話をしていたのを目撃されたそうです。校長先生は、その男性の言葉にとてもショックを受けました。「相生高校ってそんな学校だったのか?相生高校ってそんな生徒が通う学校だったのか?とても残念だ」という言葉です。
 しかし、校長先生が一番ショックなことは、コロナが一段と猛威を振るい始めているこのご時世に、電車内という空間でマスクを外して会話をすることが、周りにいる乗客からどう思われるか、嫌な思いをされているのではないだろうか?という事を、相生高校の生徒が想像できなかったのか?ということです。自分の言動に対して、人がどのように感じるのかを想像できる力、これこそが「感性」なのです。
 これは、日頃の学校生活でも言えることです。些細な一言、言っている方は罪の意識がなくとも、言われた方は心に傷を負ってしまうことがあります。そのことを知っておいてください。どうか、皆さん、強い心を育てましょう。そして人間性や感性を磨いていきましょう。

 前置きが長くなってしまいましたが、今日は「目標を管理する」というお話をします。  
 こんな言葉を知っていますか?『天才とは努力する凡人のことである』これは物理学者アインシュタインの言葉です。どんなに天才と思われている人も陰では努力をしているのだという意味ですが、努力を継続するのは、大変ですよね。努力ってエネルギーいりますよね。努力を継続させる最大の原動力は「モティベーション」です。すなわち、「夢」や「目標」がその原動力となります。しかし、1つ大きな目標を立てたとしても、数ヶ月も経てば大半の人が目標を忘れたり、あまり意識しなくなるのではないでしょうか。そうなると頑張ろうとするモティベーションは低下しますよね。それならば、大目標を達成するための中目標、中目標を達成するための月ごとの、週ごとの、一日ごとの、1時間ごとの、小さな目標を、しかも少し努力すれば達成できる小さな目標を設定することがとても大事になってくるのです。どんなに大きく見える目標でも、細分化することで、プレッシャーも軽減され、何よりモティベーションが長続きするようになります。このように少し頑張れば達成できる目標を設定し、こなしていく手法を「目標管理手法」といいます。このやり方を、ある日本人女性(廣津留すみれさん)が、県立高校時代にアメリカのハーバード大学合格を目標として見事達成したのですが、その際に、自分で自分なりの最も有効な勉強法を見つけ出したのが、このやり方だったようです。毎日小さな目標設定を行い、毎日小さな達成感を味わいながら受験勉強をしていかれたそうです。1学期の終業式に、自分なりの学習法を見つけてくださいといったことの1つの具体例ですね。

 実は、脳科学的にいうと、ゴールがはっきりと決められていると、そしてそれが時間的に直前であればあるほど、脳内が危機状態と判断し、記憶力がより発揮されたり、奇抜な発想などが出てきたりするようになることがあるそうです。小テストを始め、中間考査や期末考査などは、一日前でも莫大な量の知識を詰め込むことができますよね。それに対して、受験勉強というのは、危機感はあってもまだ少し遠い事であると脳が認識すると、勉強がはかどらなくなる状態になったりします。だからこそ、この目標を分割して管理する方法は、長期間に及ぶ受験勉強に非常に効果的なのです。1学期の終業式に3年生の学年通信に記載してあった大谷翔平選手の「目標達成シート」も実はこの目標管理方式の1例です。
 「目標を持ちなさい!」と小さい頃から言われ続けてきたと思います。大事だとわかっていても日頃から毎日のように目標を意識して生きている人はいないかもですが、それでも、先生方が「目標を持ちなさい」と言い続けるのは、本当に目標を意識しながら生活し努力していくことが成果につながることを知っておられるからです。ぜひ目標をつくる事を意識してみてください。それでは皆さん、2学期が始まります。コロナ感染対策を強く意識しながら頑張っていきましょう。