兵庫県立相生高等学校「創立記念日」に寄せて

校 長   西 茂 樹

 11月8日は県立相生高等学校の創立記念日です。今年で創立42年目を迎えますが、「不易」と「流行」を融合させた教育活動を展開し、その一層の充実を図っているところです。創立記念日を迎えるに当たり、改めて本校の歴史と伝統を確認し、これまで以上に相高生としての自覚と誇りを持ち、相高で学ぶ喜びを感じてくれることを願っています。

本校の沿革
 昭和52年4月1日 兵庫県立相生高等学校開設
 昭和52年9月25日 校旗制定
 昭和54年2月9日 校訓制定
 昭和54年11月8日 開校記念式典を行う・校歌制定
 昭和61年4月1日 英語コース・理数コース設置
 昭和61年11月8日 創立10周年記念式典挙行
 平成8年11月8日 創立20周年記念式典挙行
 平成15年4月1日 英語コースを国際情報コースに、理数コースを自然科学コースに改編
 平成18年11月11日 創立30周年記念式典挙行
 平成22年3月31日 国際情報コース 募集停止
 平成27年4月1日 学区再編に伴い、第4学区(旧西播学区、旧姫路・福崎学区)から入学
 平成28年11月8日 創立40周年記念式典挙行

 本校は、地域の大きな期待と熱い要望を受けて、昭和52年に開校しました。創立当初は設備も十分に整わず、何かと不自由な環境下にあったと聞いています。以来、地域から愛される学校づくりに向けて、教職員・生徒一丸となった「教えと学び」を営々と積み重ねてきました。その建学の精神は脈々と受け継がれ、地域社会や国際社会に貢献する多くの優秀な人材を輩出し、着実に発展を遂げてきました。今年3月現在、卒業生は10,380名を数え、相生市内はもとより、国内外を問わず、各方面において多くの方々が活躍されています。
 現在、学区再編により旧姫路・福崎学区から多くの新入生を迎えています。また、国の方では高大接続改革が推し進められています。こうした変化の著しい環境下にあっても、相高の伝統を継承するとともに、さらなる飛躍に向けて、生徒・教職員が力を合わせて邁進していきたいと思います。そして、先輩方の熱意と営為に深く感謝しながら、本校での主体的な学びを通して、「相高から世界へ」一人でも多くの生徒が雄飛してくれることを願っています。

第42回体育大会開会挨拶

 皆さんおはようございます。雨天による天候不良で順延が続きましたが、今日ここに第42回体育大会を開催できますことを心から嬉しく思います。
 本日は早朝より、多くのご来賓の皆様、保護者の皆様、そして地域の皆様にお越しいただきました。誠にありがとうございます。高いところからではございますが、深くお礼申し上げます。勉学だけではなく、学校行事にも一生懸命取り組む相高生の躍動する姿をぜひ見てやっていただきたく思います。
 生徒の皆さん、本体育大会のスローガン「不撓不屈」のごとく、どのような状況においても、強靱な精神力をもって、最後まで諦めず溌剌とプレーしてください。そうした相高生の姿は観衆に大きな感動を呼び起こしてくれるに違いありません。皆さんがどんな感動を与えてくれる、大いに期待し、また楽しみにもしています。
 さて、相高は進化し続ける学校です。今回の体育大会から3学年縦割りによる応援合戦などの新たなプログラムを取り入れました。これは、学年間・学校全体のさらなる交流と団結を図るとともに、相高生一人一人の主体性や協働性をさらに高める目的です。こうした意味において、皆さんのすばらしいパフォーマンスによって、歴史と伝統ある本校の体育大会に新たな1ページを確と刻んでほしいと思います。
 最後に、体育大会に向けて準備に当たってくれた生徒会役員、クラス役員、部活動の部員の皆さん、そして先生方、本当にありがとうございます。PTAの方々も含め、多くの方々がこの大会を支え、盛り上げてくださることと思います。どうか、よろしくお願いします。
 それでは、「不撓不屈」のすばらしい体育大会、すばらしい思い出となることを祈念して開会の挨拶とします。

2学期を迎えて

校長 西 茂樹

 本校ホームページをご覧いただき誠にありがとうございます。2学期が始まりました。今年の夏は猛暑が連日続き、熱中症や怪我・事故等を心配していましたが、命に関わる大きな事故もなく、全校生が元気に登校できたことをとても嬉しく思っています。
 この夏休み、第100回全国高等学校野球選手権大会西兵庫大会において19年ぶりにベスト16に進出した野球部をはじめ、多くの生徒の頑張りや活躍を目の当たりにして、相高生のすばらしさを再認識した次第です。特に、自習室として解放した図書室は連日満席で、受験に向かって真剣に学習する3年生の姿が見られました。一方、グランドや体育館には部活動に懸命に取り組む生徒達の姿がありました。こうした努力は必ず報われると確信しています。「ローマは一日にしてならず」と言います。諦めず、挫けず、納得のいくまで頑張り抜いてほしいものです。
 ここで、2学期始業式で生徒達に話したことを記します。

 「私は今57歳です。最近、自分の記憶力の衰えに驚くと同時に、若い頃はもっとスラスラと覚えられていたのにと情けなくなります。皆さんの中にも、覚えるのが苦手だという人が少なからずいると思います。今日は年齢に応じた記憶方法について話をしたいと思います。
 皆さんも幼い頃は丸暗記が得意だったと思います。小学生頃までの人間の脳は未発達のため丸暗記しかできないそうです。中学生頃にかけて脳の前頭前野が次第に完成していきます。この前頭前野は、記憶や情報をいったん取り上げて、つながりを作ったり、理屈を考えたりする場所です。したがって、皆さんのような高校生頃になると、論理だった記憶能力が発達するため丸暗記しようとしてもスラスラと覚えられなくなっているそうです。
 東京医科歯科大学の川良健二教授は『原因・推移・結果などの情報を、全体の流れの中で関連づけて一緒に覚えることが高校生にピッタリな記憶方法である。[いつ・どこで・だれが・何を・結果=井戸だな、結果]と覚えるのがよい』と言っています。加えて、『感情を込めることで、ただの情報ではなく、自分の心を動かした印象的な知識として記憶に深く残り、忘れにくくなる』とも言っています。社会や理科はこの方法で、『全体の流れの中で関連づけて』ということであれば、英単語や英文法、漢字や古文単語は文章や例文を通して、数学であれば解を導き出すストーリーを考えて、覚える工夫をしてはどうでしょうか。
 一方、慶応義塾大学の長澤瑛一朗教授は『ホップ・ステップ・ジャンプという復習のタイミングを設定しよう』と言っています。学習したその日のうちに1回目の復習、翌日に2回目、翌々日に3回目、1週間後に4回目、1ヶ月後に5回目、このサイクルで復習を繰り返すと忘れないそうです。休日や定期考査も活用して、このサイクルを確立してください。まずはやってみることから始めてください。
 さて、2学期が始まりました。
 1年生は将来の職業や生き方を考え、それを踏まえた文理選択に入ります。自分の将来像を描けるようにしてください。と同時に基礎力をしっかりと定着させる時期です。今も話したように、基礎力を定着させる工夫と努力を惜しまないでください。
 2年生は高校生活の折り返し点を迎え、進路実現に向けて本気になる時期です。いつ本気になるかで進路結果が大きく変わってきます。皆さんが受験する次の年の入試から大きく変わるため、浪人を避けようとする傾向が顕著になり、非常に厳しい入試になると予想されています。後で後悔しないようにしてください。
 3年生は受験への不安、すぐに結果が出ないことへの焦りが大きくなるばかりだと思いますが、以前に話したように、この夏休みの頑張りが結果に出るのは早くて3ヶ月後です。精神的にタフでなければなりません。自分を信じ、先生方の指導を信じて最後まで諦めず挫けず弱気にならず目標に向かって突き進んでください。」
 相高生全員が、それぞれに充実した2学期にしてくれることを切に期待しています。

1学期終業式挨拶

 皆さんおはようございます。早いもので、1学期が終わり、明日から夏休みに入ります。皆さんは納得のいく1学期を送れましたか。送れたという人は手を挙げてください。
 ところで、皆さんは、高校卒業後、あるいは大学や大学院等の上級学校を卒業後、ほぼ全員が就職すると思います。では、皆さんは、企業が今、どんな人材を求めていると思いますか。大手企業のホームページに掲載されている「当社が求める人材」を見ると、
 日本航空は「対人関係能力」「課題形成能力」「課題解決能力」
 日本IBMは「指示を待つことなく、自分から何かを創り出していける方」
 トヨタは「自ら提案・実行し、問題を解決することができる人材」とありました。
 こうして見ると、企業が求めている人材には共通点があることがわかります。企業は即戦力を求めていると聞いたことがあります。即戦力というと、一般にはスキル、資格、専門的知識、業務経験などを指すと考えがちですが、どうもそれだけではないようです。即戦力ということについて、大手企業のホームページには、「仕事人としての即戦力性、つまり、決断の際にリスクがあると認識しつつ、あえてリスクがある方を選択し、主体的に自分で考えて仕事を進めていける力」と記されていました。社会環境が猛スピードで変化し続ける中で、企業も絶えず変化し続けなければ淘汰されてしまい、生き残れないのです。また、単に労働力だけを求めるなら、長時間労働の可能なロボットの方がコスト面ではるかに安くつくのです。こうしたことから、企業は今、「課題解決のために自分で考えて主体的に行動できる人」を求めているのです。
 では、「課題解決のために自分で考えて主体的に行動できる人」をどうやって見抜くのでしょうか。それは、行動原則、つまり自分がよってたつ行動軸・判断軸があるかどうかのようです。行動原則のない人は、興味本位で何にでも手を出します。失敗しても、行動に原則がないから何をどう修正したらよいかわからない。その結果、経験に学ぶことがなく同じ過ちを何度も繰り返します。一方、行動原則のある人は、行動に移すべきかどうかの判断ができます。失敗しても、その都度、行動原則を修正できます。その結果、経験に学んで行動原則が成功モデルにまで高まっていきます。
 企業の人事担当者は、面接で、行動原則のある人を見抜くために、
 ①これまで取り組んできたことは何か
 ②どのようなやり方でそれに取り組んだのか
 ③そのやり方は通用したのか
 ④通用しなかった原因は何なのか
 ⑤次にどのようなやり方をとるのか/とったのか
こうした一連の質問をするそうです。思わず、「なるほど」と納得してしまいます。
さて、皆さんは今日の話から、何を感じ取ってくれたでしょうか。私が皆さんに望むのは「指示待ち」「他人任せ」ではなく、「自分で考えて主体的に行動できる」ことです。ご存じのように42回生が受験する大学入試から大きく変わろうとしています。従来のペーパーによる1点刻みの合否判定から、高校時代に何に主体的に取り組んできたか、これが大きく合否判定に影響するようになります。こうした動きは、今話したように社会の要請によります。
 では、どうしたら、そんな自分づくりができるのか。『仕事術』という本の中に、その有効な方法として「振り返りの習慣」を身につけること、が挙げられていました。ある一つのことが終わった時に、それを振り返り、成功した点と失敗した点を確認する。特に失敗した点については、同じ失敗を繰り返さないように改善を図る。これを習慣化できれば、自ずと「自分で考えて主体的に行動できる」ようになるそうです。ぜひ「振り返りの習慣」を身につけてください。この習慣は、学習や部活動などでも非常に有効であると思います。今日早速、1学期の自分と向き合って振り返り、改善につなげてください。
 最後に、この夏休み、1・2年生は勉強に部活動に、そしてボランティア活動に、3年生は受験勉強に、それぞれに悔いのない充実した時間を過ごしてください。
それでは、9月にこうして全員が元気に登校してくれることを願って、式辞とします。

相高祭を終えて

校長 西  茂樹

 6月15日(金)・16日(土)の二日間、「花様年華 ~Paint the world with your colors~」というテーマのもと、第41回相高祭を開催しました。
 生徒会執行部による独創的なオープニング、文化部の展示・発表、3年生やPTAによるバザー、2年生による演劇、1年生による合唱、有志によるピアノ・サックス演奏など盛りだくさんの内容でした。一般公開して保護者や地域の方々にも大勢お越しいただき、校内は溢れんばかりの人で賑わいました。
 「花様年華」は、「花のように美しい時間」という意味です。生徒会執行部はもちろんのこと、各クラス、各文化部、有志グループ等がそれぞれのカラーを出して、すばらしいパフォーマンスを繰り広げてくれました。そして、相高祭が生徒一人一人にとって輝かしい青春の1ページを飾るべく、楽しく充実した時間となり、テーマのごとく589名それぞれの個性が花咲く美しい時間を過ごすことができました。日頃は、真面目でどちらかというと大人しい傾向のある相高生ですが、その漲るエネルギーと無限の可能性を私自身肌で感じることができ、そのすばらしさを改めて痛感した次第です。
 人が一人でできることには限界があります。クラスの仲間、部活の仲間、そして全校生が心を一つにして協力することで計り知れない大きな力となり、それが感動を呼び起こします。今回の相高祭はこのことを再認識すると同時に体感する一日となったことと思います。また、589名の生徒それぞれに日頃の自分とは異なる自分、異なる友人に出会え、新たな発見をした人も多くいたのではないかと思います。
 「花様年華」のごとく、「花のように美しい時間」を経験したことで、相高生一人一人がさらに大きく成長してくれることを願っています。
 相高祭の企画・運営に中心となって携わってくれた生徒会執行部、全校生、PTAの方々、そして地域の皆様に深く感謝いたします。

PTA総会挨拶

校長 西 茂樹

 本日はお忙しい中、PTA総会にご出席いただき誠にありがとうございます。また、平素は本校の教育活動にご理解とご協力を賜り、厚くお礼申し上げます。
 最初に、この度の人事異動で、事務長に本校OGの山内小百合事務長を県立赤穂特別支援学校からお迎えしました。本校OGということもあり、非常に力強く思っております。前任の広岡事務長は県立上郡高等学校へ転出されました。校長と教頭は引き続き本校に勤務いたします。
 早いもので、平成30年度が始まって1ヶ月以上が経ちました。今年度も佐伯新会長をはじめとする役員の皆様、そしてここにおられる多くの会員の皆様に支えていただきながら学校運営を進めてまいりたいと思っております。引き続きどうぞよろしくお願いします。
 さて、学区が拡大して4年目を迎えました。この春には学区が拡大して最初に入学した生徒が卒業しました。どの学校もそうですが、拡大してどんな進路結果が出るのか注目されていた方も多かったのではないかと思います。学校によっては、大きく変動している中で、本校においては、神戸大学に現役で2名合格するなど、ほぼ例年に近い結果が出ました。伝統である、小テストや補習も活用し、繰り返し面談を行いながら、最後まで諦めない、また諦めさせない粘り強い指導がこの結果に結びついたものと思っております。今後もこの伝統にしながら、生徒達の指導に当たってまいりたいと思っております。
 一方で、この春入学した42回生が受験する平成33年度入試から大学入試が大きく変わります。英語ではスピーキング力やリスニング力も求められます。また、これまではペーパーの点数のみによる1点刻みの合否判定が行われてきましたが、例えば、部活動・生徒会活動・学校行事・ボランティア活動・探究活動・課題研究・海外留学といった主体的・協働的活動も合否判定材料となります。詳細な情報は今後、進路指導部や学年からお伝えしますが、本校としても1年生から、全員のボランティア参加、相生市と連携した探究活動や市政提言を行い、生徒達の進路支援を進めてまいります。
 施設面では、昨年度耐震工事が終了し空調を設置しました。夏場はもちろんですが、生徒達や保護者の方々からのご要望もあり、冬場の寒さにも対応していく予定です。今年度の大がかりな工事としてはトイレ改修を計画しています。A棟とB棟のトイレの洋式化と清潔なトイレにするため床をシート化します。工事に当たっては、騒音や振動等により学習に影響が出ないよう十分に配慮していきたいと思います。
 このように、生徒達の学力向上・進路支援はもちろんですが、環境整備にも努めてまいりたいと思っております。今後とも引き続き、どうぞよろしくお願いします。

ペーロン競漕

校長 西 茂樹

 相生と言えば「ペーロン」です。発祥は紀元前300年頃の中国の戦国時代に遡ります。楚の宰相屈原は懐王を助けて善政を敷き、名宰相といわれていましたが、讒言により政界から退けられました。その後、懐王は秦の軍勢に捕えられ客死しました。屈原は楚の国運を嘆いて汨羅(べきら)に身を投じました。人民はこれを非常に悲しみ、「ちまき」を作って川に投げ、龍船(白龍)を浮べて競漕し、その霊を慰めました。ペーロンはこの「白龍」の中国音のパイロンがなまったものと言われています。
 日本には1655年に伝来したと言われています。当時、数隻の中国船が長崎港を訪れた際、強風のため出航できなくなり、海神を慰めて風波を鎮めるためにペーロン競漕を港内で行いました。これを長崎の人達が取り入れ、同地の年中行事の一つとなって今日に至っています。
 相生では、大正11年に長崎県出身の播磨造船所従業員によって伝えられ、終戦までは毎年5月27日の海軍記念日に同社構内天白神社の例祭として、ボートレースとともに行われて来ました。この異国情緒あふれるペーロン競漕を絶やすことなく続けたいとの地域の思いが結実して「相生港まつり」として引き継がれ、昭和38年から「相生ペーロン祭」の海上行事となりました。ドン!デン!ジャン!と、中国特有のドラと太鼓の音に合わせて力漕する姿は、まさに龍が水面を駆けるようで壮観そのものです。
 本校では、4月13日(金)に2年生の校外活動として、新クラスでの親睦と団結、相生市の伝統文化に触れることによる郷土愛や日本人としてのアイデンティティの醸成等を目的として、相生湾で「ペーロン競漕」を行いました。午前に相生市担当者からペーロン文化についての講義を聞き、実際に乗船して漕ぎ方等について講習を受け練習した後、午後には予選レースと決勝を行い、楽しく充実した時間を過ごしました。
 なお、来る5月26日(土)・27日(日)に開催される2018相生ペーロン祭には本校生がボランティアとして参加します。

第42回 入学式 式辞

 まさをなる 空より しだれ ざくらかな
 可憐な花をほころばせ、春の澄んだ青空から降り注ぐかのように、華やかに咲き乱れるしだれ桜の優美な姿を、俳人 富安風生(とみやす ふうせい)はこう詠んでいます。本校へと続く相高坂の桜も、この俳句のように、今を盛りに咲き誇り、新入生の入学を祝福しています。
 このよき日に、兵庫県会議員 盛耕三様、相生市教育次長 玉田直人様、PTA会長 谷川育久様をはじめ、多くのご来賓の方々のご臨席を賜り、保護者の皆様のご出席のもと、ここに兵庫県立相生高等学校第四十二回入学式を挙行できますことを、心から嬉しく思いますとともに、厚くお礼申し上げます。
 ただいま入学を許可いたしました二00名の新入生の皆さん、入学おめでとうございます。教職員一同心からお祝い申し上げます。今日のその晴れやかな姿、緊張した表情にも喜びが満ちあふれているようです。皆さんは、自分の意志で本校を選び、見事合格の栄冠を勝ち取りました。本校では「確かな学力」の確立、「豊かな心」の育成を図るため、相生市はもとより、大学や企業等との連携を密にしながら、課題研究をはじめ、探究学習を多く取り入れるなど、教育活動の充実に努めております。この環境下で、若者らしく、何事にも果敢に挑戦し、将来の夢や進路希望を実現するべく、高校生活の第一歩を踏み出してください。
 さて、本校は、高度経済成長という社会背景の中、地域の方々の熱い思いが結実して昭和五十二年に開校しました。以来、「文武両道」を校是とし、創立当初の質実剛健の精神である「不易」の側面と、時代の流れに即して柔軟に変わる「流行」の側面とを融合させた教育を展開して飛躍を続け、地域にとどまらず、広く国内外で活躍する有為な人材を多数輩出しています。
 周囲を緑豊かな木々に囲まれた閑静な高台に位置し、眼下には相生の街並みや波穏やかな相生湾を臨むことができます。皆さんはこの恵まれた教育環境のもとで、人生でも最も意義深い、青春の三カ年を送ることになります。この大切で貴重な時期を本校で学ぶ皆さんに、三つのことを希望します。
 一つ目は「高い志を持ち続けてほしい」ということです。自分の志を立て、それに向けて具体的な目標を持つことは、自己を律し、生活を充実させる基盤となります。皆さんは高校生活3カ年の延長線上に、将来どのような人生を生きるかということを具体的に考えているでしょうか。どのような職業に就き、社会にいかに貢献していくかを考えておくことによって進路も明確なものが見えてきます。本校での充実した学びを通して自己認識を深め、自己実現をめざして、高い志を持ち続けながら努力を重ねてください。
 二つ目は「確かな自分を作り上げてほしい」ということです。世界はグローバル化時代を迎えています。あらゆる知識や技術は日進月歩以上であり、おびただしい情報が世界中に氾濫しています。一方、悲惨な事故や事件が世界中で後を絶ちません。皆さんが心豊かに生活するためには情報に流されたり惑わされたりせず、主体的に行動することが大切です。国際的な広い視野に立って、弾力的で柔軟なものの見方、考え方を持つ、そして善悪・真偽を正しく判断できる確かな自分を作り上げ、磨き上げてください。
 三つ目は「良き友を得てほしい」ということです。良き友とは、ともに喜び、ともに悲しみ、ともに高め合うことのできる真の友人です。この良き友は、安易に調子を合わせたり、誘われるままに行動するような関係の中には育ちません。時には「ノー」と言う友こそ心から信頼できるのです。他を尊重し合い、素直な気持ちをぶつけ合い、目標に向かって切磋琢磨し合う中に友情は育ち、本校校訓の一つ「敬愛」が生まれます。他を思いやる心を忘れず、自分にないものを学び、お互いを向上させ、信頼関係を深めながら、生涯にわたって心の支えとなる友を得てください。
 最後になりましたが、保護者の皆様に一言ご挨拶申し上げます。本日はお子様のご入学本当におめでとうございます。心からお祝い申し上げます。高校の三年間は、人生の方向を決定する大事な時期であり、その一方で悩みや苦しみが大きい時期でもあります。私達教職員は、ご子様が、自らの生きる道を、自らの力で切り拓いていけるよう、全力で指導に当たって参りますが、お子様の健全な成長を願い、豊かな個性を育てていくためには、学校と家庭がそれぞれの役割を果たしながらも、相互に補完し合い、連携を密にしていくことが重要であると存じます。どうか、本校に対するご理解ご協力、そしてご信頼をよろしくお願い申し上げます。
 新入生の皆さん、本校の校訓「自律」「創造」「敬愛」のもと、知・徳・体の調和のとれた、心豊かに、高い志を抱き、未来を主体的に切り拓いて行く人間として成長していくことを心から期待し、式辞とします。

平成三十年四月九日  兵庫県立相生高等学校長 西 茂樹

1学期始業式

校長 西 茂樹

 皆さんおはようございます。平成30年度を迎えました。3年生は最高学年、そして受験生という自覚、2年生は学校の中核という自覚を持ち、気持ちも新たに今日を迎えていることと思います。
 さて、皆さんの中に「心機一転」という言葉を知らない人はいないと思います。では、どういう意味かわかりますか。「何かを契機として気持ちが良い方に変わること」という意味です。
 本来、時間の流れの中に切れ目はないのですが、日本には節目節目に切れ目を設けて気持ちも新たに事に励もうとする風習があります。その一つが「新年度」であり、「始業式」です。今、皆さんはそれぞれに心機一転「今年度こそは」という何かしらの決意を持ってこの場にいると思います。しかし、その決意もいつの間にかどこへやら、という経験を繰り返してきた人は少なくないと思います。そんな人のために。
 フランスのことわざです。「卵を割らなければオムレツは作れない」
 アメリカのことわざです。「ガソリンを入れなければ車は走らない」
 イタリアのことわざです。「パスタは茹でなければ食べられない」
 これらのことわざの言わんとすることが分かりますか。「何事もまず行動に移すことが大切である」ということです。皆さんは決意をすぐに行動に移していますか。そしてそれを継続することで習慣化させていますか。
 よく、人間は習慣の生き物であると言われます。習慣には「行動の習慣」と「考え方の習慣」という二つの習慣があります。
 まず、「行動の習慣」についてですが、これは毎朝何時に起きるとか、食後は歯を磨くとかいった日常の習慣です。学習について言えば、毎日何時から勉強を始めるとか、何時間勉強をするとかいった学習の習慣です。実は、人間の身体は、行動の習慣が身について初めてうまく機能し、力を発揮できるようにできているそうです。それが証拠に、この春休み、不規則な生活をしてしまった人、今の自分の体調を見ればよく分かると思います。今の状態で力を発揮できますか。普段あまり勉強しない人がいきなり5時間も6時間も勉強できますか。基本的生活習慣の確立、学習習慣の確立ということについて繰り返し指導されてきたと思いますが、その背景にはこうした事情があります。
 次に、「考え方の習慣」についてですが、これは目に見えるものではないだけに習慣化は困難であると言われます。それを習慣化させるには、目に見える形にする、たとえば手帳やノート、机の上などといったよく目につく所に書いておいたり、紙に書いて部屋に貼っておいたりして、絶えず心に刷り込むことが大切です。
 決意をすぐに行動に移し、それを継続することで習慣化させる。また、心に刷り込むことで習慣化させる。「行動の習慣」と「考え方の習慣」をともに身につけることで、皆さんの決意は必ず達成されます。ぜひ実践してください。皆さんには、ハードルを上げて越える努力を惜しまないでほしい、自分の無限の可能性に挑戦してほしい、そう願っています。
 それでは、平成30年度の皆さんの大いなる飛躍と成長を期待して式辞とします。

平成29年度を終えて

校長 西 茂樹

 早いもので、平成29年度が終わろうとしています。3月19日(月)に第4学区複数志願選抜の合格発表がありました。その1ヵ月前には自然科学コース推薦入試の合格発表がありました。親子で歓喜する姿、涙する姿を目の当たりにして、私も胸が熱くなりました。こうして本校を目指し、見事合格の栄誉を勝ち取った新入生の期待に応えられるよう、教職員一同その責任の重さを再認識しつつ教育活動に邁進していきたいと考えています。
 さて、3月23日(金)に3学期終業式を行い、生徒達に次の話をしました。
 「相生高校に入学して、1年、あるいは2年が経とうとしていますが、入学した時の決意を今も持続できていますか。夢を追い求め続けていますか。目標に向かって邁進し続けていますか。自分自身に問いかけてみてください。
 さて、2年前のことですが、イギリス・オックスフォード大学のオズボーン准教授が、『雇用の未来』という論文の中で、あと10年で消えてなくなる職業を発表しました。これまで人間にしかできないと思われていた仕事が、ロボットなどの機械、いわゆる人工知能にとって代わられるというのです。皆さんはどんな職業がなくなると思いますか。
 論文には、受付や案内の仕事、事務員、作業員、修理工、店員、販売員、オペレーター、ネイリスト、スポーツの審判など702の職業が挙げられています。現に、この中には、この2年間で現実のものとなった職業がいくつもあります。このままいくと、超高齢化社会を迎える10年後には、医療や福祉関係の仕事を除いて、日本の全労働者の4割ほどの人が職を失うことになります。
 一方で、ロボットデザイナー、ロボット修理工、ロボットセラピスト、ロボットトレーナー、ロボットファッションデザイナーといった、ロボット関連の仕事が新たに必要になると考えられています。
 以前は、二十歳頃までに身につけた知識や技能でその後の生活が保障されていました。しかし、これからは、絶えず知識や技能を吸収し続けなければなりません。つまり、学び続けなければなりません。というのは、就いた職業がずっとあり続ける保障がないからです。しかも、一見関係がないと思われる他の分野を学ぶ必要性も増してきます。例えば、技術者の場合、特許のことを考えると法律の知識が必要です。原材料コストのことを考えると為替レートなどの経済の知識が必要です。海外とのやりとりのことを考えると英語力も必要です。
 こうして考えると、これからの社会に生きる条件は、何を身につけたかではなく、今後どれだけのことを身につけていけるか、だと思います。こう言うと、これまでの学習を否定しているように聞こえるかもしれませんが、決してそうではありません。今後さまざまなことを身につけていくためには、その基盤となる基礎学力がますます重要になってくるということを強く認識してほしいと思います。学習に無駄はないのです。
 皆さんは、受験に関係がない、興味がないなどといった理由で疎かにしている科目はありませんか。苦手科目を避けて通ろうと逃げていませんか。こうした姿勢では、これからの社会を生き抜くことはできません。ぜひ、10年後、20年後の自分のために、向学心を持ち、あらゆることを学ぼうとする姿勢を持ち続けてほしいと思います。
 今日、通知票を渡します。平成29年度の自分としっかり向き合い、その反省の上に立って、また、合格発表のあの瞬間を思い起こし、「初心」にかえって学び続けてほしいと思います。」
 平成30年度の本校生の大いなる飛躍と成長を期待しています。